5・19 最近面白かったゲーム ~紙の上の魔法使い~

 

 排撃原理
5・19

 紙の上の魔法使い

 鬱ゲーライター。
 新作のイストリアはポーカーとか人魚姫の涙とかのファンタジー相まってて好きだったけど、終盤から(紫子らへん)食傷気味になったのがきつかった。
 ククリ姉妹と紫子姉妹似てるんだよな。どっちも人魚姫故の不幸話だし。しかし全体的には不幸話てんこ盛り。
 今回もその本領を発揮するか!?
 話の内容は、魔法使いが住んでいると言われる不思議な島で、宝石に関する魔法の本を開くとその本の内容が現実になる。開くと相応しい人間が舞台上で演者として動く。
というわけでストーリーをおさらい。

 文体はかなり洗練されている印象。主人公が結構聡いのが好印象。

 以下ストーリー簡単概要

1章 ヒスイの排撃原理

ミステリーx恋愛。日向かなたが巻き込まれるお話。
ノックスの十戒というミステリーのお決まり法則を逆手に取り解決。確かにミステリーにおいて犯人は最初から出ていて一番疑わしいやつは大体違う。

2章 ルビーの合縁奇縁

遊行寺夜子が本以外の楽しさを見つけてくるおはなし。(ここは魔法を使っていない)
引きこもり少女、外に出る。

3章 サファイアの存在証明(オニキスの不在証明)

月社妃がわすれられる物語。かと思ってたら物語が進まない。と急に進んだと思ったら妃が死んでしまった。
急展開に開いた口が塞がらない。

4章 アメシストの怪奇現象

作中1年が経過。

日向かなたが幽霊になった。恋愛をすることで成仏させられるらしいが・・・。しかもヒスイの物語は閉じていなかった!?
「(スタンガン持って)逆らったら1ポチですよ^^」闇落ちしまくってらぁ・。・
ヒロイン夜子初活躍。


5章 アパタイトの怠惰現象

妃が作った偽物の日記帳。その遺書ともよべるものの中身は幸せな学園生活をおくること
主人公はそれを実行にうつすため、周りの関係を再構築しようとする。
遊行寺汀の復讐。

6章

ローズクォーツの永年隔絶

理央のおはなし。孤児からメイドとして雇われた理央は夜子に忠誠を誓うことを義務付けられた。
けれど芽生えてしまった恋心。それを出せるのは物語の中でだけ。
潜在的な願いとそれをしたいかどうかは別」

7章 ブラックパールの求愛信号

不器用な男・遊行寺汀のおはなし。みじかめ。ぐちゃぐちゃに暴走した汀を止める。
突き詰めると汀が妃を好きで、死が納得いかなくて、理性と行動が狂ってた。


8章

フローライトの時空落下
妃を振るお話。 コピー体、紙の上から湧いて出た妃と決別する。過去成り行きで関係を結んだことによる清算


9章 ホワイトパールの泡沫恋慕

遊行寺家のおはなし。夜子と瑠璃の馴れ初め

10章 オブシディアンの因果目録
 
妃ちゃんまじメンタル強い。愛する男の想いを忘れるくらいなら――。自殺する。
主人公が耐えられるわけもなく後追い。 ロミジュリみたいな。
けれどそれを理解した上で紙の上の存在だとしても生きていく。

後半はかなたのお話。サファイアの存在証明は実は、妃ではなく、かなたが開いていた。正確に言うと夜子の潜在的な願いによって開かされた。
一番かなたちゃんが献身的で慈愛に満ちているのだが。
4年前、かなたが瑠璃に告白。けれどそれを覗いていた夜子が無意識に消してほしいと願いサファイアを召喚し記憶を忘却という事実。


12章(ほんとは11章?) ラピスラズリ幻想図書館

クリソベリルは夜子にもう一度空想上で図書館メンバーを作らせようとしたが、夜子はあえてそれをせずに妄想物語にひたる。しかもそれは夜子の本心ではなく理性で上書きしたもの。
瑠璃は助けにくると心の奥底で期待しつつも、けれどやっぱり不幸にしたくないという気持ちも存在し何ともアンビバレントな気持ちが漂うのでした。
後半はクリソベリル覚醒して 瑠璃の本に書き込みを行う。けれども、それをも超えるかなたの包容力に圧巻

13章 アレキサンドライト

クリソベリルのお話。短め。どうして魔女になったか。


感想

魔法の本というファンタジーっぽさはあるが、それは一種の要素で、それは本当は心の願いを暴き出すもの。
これを鑑みるとヒューマンドラマということを認識させられる深い作品。ヒロインだけでなくサブキャラまでしっかりと物語が語られている。
話の作りとかが西洋をモチーフにしているので普通のエロゲや小説にはない真新しさが垣間見れた。
多少都合が良すぎね? みたいなところはあるが、あくまで紙の上のおはなしということなので、逆にいえばただそれだけ。

けれど人間関係は深く描写されている。
個別は全てあまり良い結果にはならずに、最後は1つのエンディングに行くのは物語としてはGOOD。
1~13話でそれぞれで挿話という形で用いられる手法はちょっと斬新。そこからゆっくり収束に向かっていく感じはカタルシスを得られる。
外国には多いらしいけど・・・あんま読まんからよう知らん;;;

突き詰めると、閉じこもりがち少女の救済。陰キャラ美少女を前向きにしてあげる物語。Hシーンも無理に組み込むことなくできている。
恋愛要素が色濃く描かれている。

思ったのは、ゲーム仕様的に分岐はあるんだけど、どう見ても話の流れからして好きになるのがありえるのは妃かかなたの二択だろっていう。
理央とか夜子は主人公が譲歩したって感じがしてあまり好きじゃないな~。


因みに誤字脱字はパッチ当てても多い・・・;; かなりいい作品なだけに勿体無い。




最終関係メモ

瑠璃:ペーパーマン 妃:死亡  夜子:友達 理央:友達(ペーパーウーマン) かなた:恋人。


witch2


 ほんと的を射ていると思います。