5・16 最近面白かったゲーム ~アマツツミ~

響子 


 アマツツミ 
 
 


「吾は悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言い離つ神」

 祓詞。 タイトルは天つ罪・国つ罪という神の犯した8つの罪からきている。

シナリオは一本道。途中下車タイプ。最後はほたるへ。

言霊のお話。
言葉で命令すると何でも言う通りにできる能力を持った主人公が外の世界に出てくるというもの。
どっちかっていうと能力をテーマにしたものではなく、一種の要素として盛り込んだ言霊のお話のヒューマンドラマ。

主人公には言霊というものがあったため感情を言葉としてストレートに出すことが普通だった。けれど外に出ると実際はそうじゃないことを身を持って知っていく。
言いたくても言えないことだってあるし、言いたくなくても言ってしまうことだってある。それが人間の心の機微というもの。
人里離れた場所にいる人間が、コミュニティ内で帰属意識とかコミュニケーションとかそういったものを学ぶわけです。言霊だと一方的な命令になってしまうのでね。
いいですね。結構言霊でゴリ押しみたいなとこもあるけどまあそこはご愛嬌だしお約束。


各キャラ概要&ストーリー

こころ

妹。純真でけがれなきピュアな心を持っている。
病弱なお母さん・あずきのお話。
完全に死ぬフラグビンビンだったけど主人公が言霊で命を分け与える。ピーク後は何かお兄ちゃんとの恋心的な純愛っぽい何かになる。
正直1話は、ほたるとの会話のやり取りが結構最後に大切になってくるのでちゃんと覚えておこう。

響子

自信なさげ、内向的な巫女。霊感が強く幽霊が見える。
突然、かつて事故で亡くした旧友・鈴夏が見えるようになる。その罪悪感と後悔からの解放を得て自分を見つけて生きていくお話。
響子自身、幽霊(実際は妄想でできた産物)の彼女に身を投げれるほど、思い入れ相当強かったんだけど記憶が美化されててあれれれれ・・・?
最後は死靈の残滓がどうだこうだで…お別れします。



主人公の出身の里の言霊使いが住む世界での許嫁。言霊力は彼女の方がたかい。
双子の姉の呪いで彼女の周囲には雪が降っていて寒さに怯えている。
このルートでは主人公の心を問われる。単純に言えば他の女に目移りして自分を見てくれなくなっている的な愛情の再確認と過去の清算
終盤は響子のやつと若干似てるけど盛り上がりには欠ける。

ほたる

最強メイン。1週間で記憶がとぶ。たぶんエピソード記憶のみ。エンド2つあり。1個は主人公が犠牲になりオリジナルと心中し、コピーが生存するやつ。

ED1

最後の1週間

サブタイ通り。
もうすぐ限界であるオリジナルと心中END。結婚式とかしっかり書かれてていいなって思った。
タイトル回収ここだからここ本命じゃね? と思わざるをえない。 しきまきとかいってたし。
愛するコピーと結婚し、名前を変えることで魂を与え生かす。
オリジナルには”偽物”と認識させ、主人公と心中する。

最後ほたるの舞う場所で左手くすりゆびに魂が宿り。

ED2

オリジナルを懐柔し、2つの人格を1つに統合する。主人公が言霊の力を犠牲に人として生きることで、ほたるを1つとして生かしてHappyend。
ちょいTRUE ENDにしては尺短いかも? おりじなる世界の憎しみ度くっそ高そうに見えたけど結構懐柔されるの早かったな。
あっさりしててEP1のほうがよく見える。


 感想


全体的に優しい世界で構成されている。言霊使いの悪いやつとかいそうな気したけどそんなことはなく。主人公の”敵”みたいなのが終盤以外に全くなく。いても懐柔はいとも容易く。
ヒロインには大体何か当人かその家族か友達が死に関わってるものが多い。
死靈とか、呪いとか、負い目とか全体的にそういう話。
文章は平易で分かりやすく、ハピメアみたいに冗長さもなかったからよし。インパクトには欠けるので初心者向けって感じ。
日常シーンは大体飯作ってるか町散歩してるくらいしか印象にない。真新しさはないので飽きてくるかも。
町っつってもほんと田舎町(町名も井中だった気がする)なので湖か神社か学校でデートしてる。
ご都合主義的なところもあったけど、まあテーマ自体が”言霊”で、他にも幽霊、コピーなどファンタジックなものだからしょうがないね。
粗は特になく、初心者にはおすすめじゃないかなと思います。 



盆踊り