最近面白かったゲーム ~ノラと皇女と野良猫ハート(無印)~



 ノラと皇女と野良猫ハート 

 以前にも書いた気がするが定期的に周回プレイをしたくなるほど面白く、それでいてキャラ毎に深いテーマがあり、また書いてみようかと思う。 

 冥界である皇女3姉妹が人間界にやってくるところから話は始まる。死を忘れないために地上を滅ぼす目的でやってきた彼女らだが、ノラという人間にいろいろと人間界に教えてもらいながら・・・。

 一見ギャグ要素が多くイチャラブ系かなと思いがちだが、ところどころに考えさせられるところがあるなーとやるたびに思う次第。文章は洗練されていて長ったらしいことはなく読みやすく好印象。

 特にパトリシアルートは圧巻とも言える出来だったと思います。人間界を通して学びを深めていくところ、冥界とは違うものに好奇心旺盛で、5~6歳の年端のいかぬ子どもにバカにされても、どうして? なぜ? と純粋に問える姿は美しく感じる。知らない世界へと歩みを始めた小さな子供のよう。

 魔法という異世界じみた要素を入れながら、他文化の交流というものは落とし所としては斬新で本当に面白かった。地上魔法「コクハク」を詠唱と思ったり命の魔導書への興味。一見面白要素があると思いきや、そこには言葉と音のふれあいを大切にする彼女の想いは純粋ながらも深い。
 冥界では広い部屋で一人読書をするだけで会話はしてもほとんどが姉妹とだけ。そんな彼女にとってノラの家の狭い家でたくさんの人が行き来・交流する姿を見るのは、段々と胸打たれていくものがあったのだと感じる。


 黒木や明日原は普遍的なテーマである「家族」、「友情」といえるテーマ。黒木は母親との不和。明日原は昔の不良友達との仲違い。
 黒木に関しては長ったらしい部分が多く、ヒロイン自体も重いタイプだからなんかうぜえ。結局仲を取りもてたのも結婚詐欺師という人物がいて、目を覚まさせたからであって、直接自発的に何か働きかけたというわけじゃない。
 明日原の方は王道だな、と思った。つるんでた友達と縁切ったのに逆恨み的なやつでカフェ荒らされてノラたちが本気出してボコる。こういうのは何度も見たけどなかなかどうして悪くない。
 東京に1ヶ月上京したけど失敗して戻ってきたってのが見たことない設定でリアリティあるなあと感じた。

 「地元が嫌いで出ていくやつはどこへ行っても失敗します。逆に地元が好きなやつはどこへいっても大丈夫」みたいな科白は的を射ているな、と思った。

 シャチルートは何ていうか・・・天界の話かと思ったけど特に何かこれといった話があるわけでもなかったので言うことなし。




 あとで2も書きます。